2011年1月19日水曜日

TOKYO BOOT UP! 2010 マレー・ラナー監督基調講演要約 (その3)

■音楽映画はニュース映画であってはなりません。
「メッセージ・トゥ・ラブ」という私の作品について話をしましょう。私は作品のテーマとアイコンとなるべき人物達を、フェスティバルの時系列では表現していません。それよりも、困難に見舞われたイベントをプロモーター、ミュージシャン、観客、島民の視点から痛烈に描きました。もちろん私個人の視点も取り入れました。
私は異なる考え方をしている数人の人物にスポットを当てました。何人も違う人に話を聞くより、ヒッピー、大工、海軍司令官、男爵夫人に繰り返し何度も話を聞く事にしました。
私はドキュメンタリー作品を撮る上で、対象をよく観察しています。そして、インタビューに答えてくれる人物と強固な関係を築くようにしています。真実とは観察すべきものを観察する事で初めて見つかるものだと信じています。対象を定義するには観察する他ないのです。よって、私は傍観者を見れば何が起きているか分かる、というのは真実だとは思いません。
音楽映像の話に戻りますと、製作者はミュージシャンや音楽に対し確固たる視点を持つことが大切であると感じています。そして、カメラ、編集、サウンド・ミックス等を使い、内なる音楽を表現するのです。したがって、演奏シーンばかりを撮影する必要はないと考えており、音楽的な流れを表現するには、感情が演奏に対して向かっている時に不協和音のぶつかり合う音楽的でない瞬間を観客に強要するより、単純に音楽を聴いて欲しいと思っています。
私は常に音楽の内側へ深く掘り進んでいこうとしています。それには、カメラと自分の体を思うようにコントロールできなければいけません。そこで、コンサートの1時間前には、フォーカス、ズーム等の練習をする様にしています。
さて、語られるべくは語ったかと思います。
最近似たような上映会がロサンゼルスであり、その中での質疑応答の参加者に、ローリング・ストーンズの初代マネージャー、アンドリュー・オールダムがいました。Live at the Isle of Wight Festival 1970を見た後、オールダムは感激し「この作品を撮ったことで、あなたはザ・フーの一員になった」と最大の賛辞を送ってくれました。
自分の内にある音楽を理解し、自分もバンドメンバーの一人だと考え作品を作ってください。決してただのニュース映像にはしないように!
どうもありがとうございました。

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